「報酬100億円」孫正義社長の後継者育成 スタート地点に立つための条件とは

ソフトバンク孫正義氏が、後継者を発掘し育成することを発表。報酬は100億円ともいわれている。スタート地点に至るまでのハードルとは?

 ソフトバンクは10日、「ソフトバンクアカデミア」のホームページに登録している人を対象として、孫正義氏の公開講義を9月28日に東京で開催することを明らかにした。定員は5000名で、応募者多数の場合は抽選となる。

 同グループの代表である孫正義氏は7月28日から、後継者発掘と育成を目的としたソフトバンクアカデミアの開校と入校生の募集を開始している。ソフトバンクアカデミアの応募期間は10月11日まで。

 孫氏は、同日の同時にはツイッター上でも「今から、ソフトバンクアカデミアの一般募集を開始。志し高き者。興味のある方は、まず『登録』ボタンを!」と告知。その後、「志に命をかけても惜しくない者。集まれ。」「溢れる情熱で真夜中に駆け出したくなる者集まれ!」「弱き者の為に己の命を捧げる事の人物のみ、集まれ!」と熱いつぶやきを投稿していた。

 ソフトバンクアカデミアの公式ページによると、求める人物像はまず「孫正義の後継者を目指す人」。続いて「情報革命に対する志の高い人物 」「多くの人々を惹きつけられる人物 」「誇れる経験・実績を持つ人物」となっている。

 2011年4月より、東京・港区にあるソフトバンク本社で1ヵ月に1〜2回開かれるソフトバンクアカデミアに入校できるのは、ソフトバンクグループの社内から270人、一般からは30人を予定している。

 年齢は20歳〜50歳で、希望者はまず、10月11日までにエントリーページで登録を済ませ、必要事項を記入し、応募することが必須。テーマや表現方法は「自由」というプレゼンテーション方式で「一次予選」「二次予選」を行い、孫正義氏による「最終審査」を経て入校となる。

 7月28日に行われた開校式で、孫氏は「戦略特別講義:孫の二乗の兵法」と題し、約2時間20分間の講義を行った。その際、後継者に選ばれた場合は10年にわたって育成を行い「ストックオプションを100億円ぐらいは渡したい」と発言している。

 しかし、孫氏は後継者たるべき人物は、ソフトバンクグループの売り上げを、10年で平均5倍ぐらい伸ばすほどでなければならないと強調。ソフトバンクアカデミアに外部から入校するのは狭き門、また、どのようにすれば5倍にできるかは、講義開始後に宿題として出題されるという。

 6月に発表した「新30年ビジョン」では、グループ5000社、株式時価総額200兆円という計画を掲げている孫氏。選ばれた後継者のクリアすべきハードルは、相当高そうだ。