SUZUKIジムニー(JB23W)乗り出し3日目の2ndインプレ

6/12の納車から3日が経ち、都合500km弱走った。
初日は140km。昨日は山を70km弱。本日は290km弱走った。

慣らしについてだが、元々最高回転のセーブについては気に留めてはいるものの、自己流の慣らしとして、「低回転で高負荷をかけない」ということを意識しているので、本日は5000回転に達することもしばしばあった。

昨日、林道を2000〜2500回転でじりじりと登ったことを反省してのことだ。

本日意識したのは、クルマの慣らしではなく、乗り手の慣らしだ。

そもそもジムニーというクルマの問題点というか、実際に自分が持つ車とする際の懸念事項は、そのバネ下重量から来るいささかきつめの「揺れ」にある。それに体がどう反応するかが気になるポイントであり、こればかりは実際に持って、じっくり走り込まなければ見えてこないことだ(それ以外のことはディーラーの試乗とかで大体わかる)。

少々脱線するが、私にとってのクルマの乗り心地のベンチマークは、日野RA900P型国鉄高速バス、シトロエンCX、プジョー505(同607も一応加えておく)のクルマ達だ。これらの名機の原体験のお陰で、セルシオ(レクサスLS)とかベンツSクラスとかBMW7シリーズなどの誰でも知っているような高級車に乗ってもたいした感慨も持たなくて済んでいる。できればシトロエンDS21(同23)・同2CVプジョー504・404にも乗っておきたかったが…。

本題に戻るが、乗り出し3日目で、すっかり体は馴染んだ。…というか、最初からたいして異変は起こらなかった。バモスの長時間&長距離性能に関して意外な面があることに気づくのに相当な年月がかかってしまったが、本件については今でもアップライトなドライビングポジションのお陰と確信しているが、ジムニーは今回の9型から変更した(妙に前にせり出した)ヘッドレストのこともあり、殊更シートバックを立てる妻でさえ、ジムニーの背もたれは意識して後傾させて乗る。つまりシートに体を預けて乗るクルマであり、バモス(一連の軽トラ族)とはドライビングポジションが明らかに違う。しかもヘタをすると(路面状態によっては)その軽トラたちよりも大きくて強い突き上げを喰らいかねない。

結論から言えば、今まで乗っていたVitzRSなどと比べても、明らかにジムニーのほうが運転疲労が少ないということ。おまけに助手席では問題なく安眠できる。

これは、極めてハイレベルなシートのお陰もある。その昔、ランサーEXターボのカッチカチのサスでも「シートのお陰でなんとか乗れていた」というのと同じ意味。ともすると見えない部分でコストダウンをするのが世の常ながら、ジムニーのシートだけは相変わらず別物のようだ。四半世紀前に椎間板ヘルニアを患い、歳をとってからは尾てい骨に痛みが出るなどのボロい体の私ゆえ、駄目なシートは座って30秒で見抜ける。ジムニーのシートは(極初期のモデルは別として)ずっと好印象だった。妻も「バモスより、こっちのほうが明らかにいいシート」と言った。バモスのシートも他社の同型ライバルよりはマシなのだが、ジムニーとは比較にならないと思う。

こんなことならもっと前からジムニーにしておけばよかったかなと少々後悔している。

余談ながら、バモスのリアサスのリーフスプリング式ド・ディオンアクスルの性能を改めて痛感している。ジムニーはサスストロークの都合もあるので、ドディオンなどは現実的でないのかも知れないが、板バネの固定軸でもバネ上に対するバネ下の重量比が良好ならばあれくらいの乗り心地が得られるのだなと思っている次第。

また、運転中の耐睡魔性能だが、ボールナット式ステアリングギアボックス+背(サイドウォール)の高いタイヤという、あまりセンシティブでないスペックのハンドル周りにしては、中立付近に不感地帯もなく、けっこう覚醒させてくれるおかげで眠気に襲われ難いクルマだと感じる。これは部分的に運転交代する妻も同意見だった。

妻とも、(意外な疲労感の無さについて)話してみたが、「そこそこ強い揺れがあるので、それに体が対応(順応)したとしか思えない。体に優しい車なら、体が怠けてしまってむしろ疲れるのかも知れない」という結論になった。

考えてみたら、近年よく利用する高速バスは(国鉄型などが消滅し、)ハイデッカーになって四半世紀も過ぎようとしているが、背が高くなって相対的にサスも硬められ、酷い突き上げを食らうようになった。その割には到着した日に何の疲労も無いことが多い(私自身歳取ったにもかかわらずだ!)。ジムニーの揺れ・突き上げについてもそういうことが言えるのかも知れない。

燃費だが、満タンから350kmほどでやっと燃料計の針が半分に下がった。今後暫く満タン法で計算してみようと思うが、車の性格上リッター何キロ云々よりも大事な航続距離については高速道路でも満タンで600km走れるNA/MTのバモスには敵わないかも知れないが、そこそこいけそうな気がする。

それに関連して思うのは車庫からの出し入れ含めて普段走っている道で感じるのがコースティングの良さだ。明らかに引きずりが少ない。縦置きエンジンにトランスファー(+副変速機)を持つ駆動系ゆえに横置きのFFやMRとは比べるべくもないほどの厳しい条件だが、転がり抵抗だけは本当に少ないクルマだと思う。こんなにコースティングに関して好印象を抱いたのはセルシオ以来のことだ。モーターサイクルのエンジンは四輪よりもデリケートなので、元々スズキの基礎的な技術力は疑いの無いところながら、安く作る関係で各部の公差基準を緩めていると思っていた。つまりハズレを引くととんでもないものになると思っていたのだが、最近はそうでもないようだ。アルトの燃費がいいのも頷ける。(つづく)

画像は本日(3日目)の画像。

八幡浜 夫婦岩にて(カシオZR100)


前席から見たボンネットの風景 (カシオZR100)
今年5月のMCでインタークーラーのインテークが別モノから一体になった。
撮影地点は伊予市双海町だが、このような良路ならば、ジムニーもちょっとした高級車だ。妻はいつも助手席で寝ているが、ここでは僅かな時間ながら私も助手席で熟睡していた。