引用記事:社会人必須スキル! 上司から好感を持たれるコツ

同じ程度の能力なのになぜか引き立てられる人、そうでない人。性格にさほど差はないのに、人から好感をもたれる人、そうでない人。その差はいったい何でしょうか。持って生まれた性格や運次第ではなく引き立てられる人、好感を持たれる人には共通点があります。ここでは学校や会社では教えてくれない上司への接し方について紹介します。

■好感は性格ではなく「スキル」です

 上司に引き立てられる人を見て「アイツは得な性格だよな」と思ったり、「自分は損な性格だから仕方がない」と思ったりしたことはありませんか?

 感じの良さというのは性格の問題として諦めてしまいがちですが、会社で上司に好感を持たれる人の「感じの良さ」は生まれつきでもなければ、たまたま持ち合わせたものでもありません。

 好感を持たれる行動とは、目を合わせてしっかりと挨拶をするとか、返事を大きな声でするとか、小さなことから実践できるもの。仕事を任されたら「お陰さまでこの仕事から○○ということが学べました」「いい機会を与えていただきありがとうございます」といったような一言を添える。そんな些細な違いが「好感をもたれる」「好かれない」という差に繋がります。

 人柄や性格というのは、本質的なところよりも日常の言動で判断されます。つまり、引き立てられる部下の感じの良さというというのは、上司の視点から考えて行動している人が身につけているスキルなのです。

■上司に嫌われる「損する人の5つの特徴」

 自分は損をしていると感じる人も、上司の視点からどんな言動でどんな感情になるかを考えることで、対策を立てることができます。まずはどんな人が嫌われてしまうのか見てみましょう。

・元気がない(ように見える)
・ヤル気がない(ように見える)
・頼りない(と感じられる)
・反応がわかりずらい(と感じられる)
・素直でない(と感じられる)

 すべてに「ように見える」「と感じられる」をつけたのには理由があります。本当に元気があるのかないのかではなく、上司から見て元気があるように見えるかどうかが評価に繋がるからです。ヤル気があるのとヤル気があるように見えることには大きな差があるのです。上司はあなたの言動そのものを見て判断しているので、ここを意識して行動できるかどうかが「好感をもたれる人」「損してしまう人」の違いになります。

 上司目線から接し方を考えるなんて、媚びているようでイヤだという人もいらっしゃるかも知れません。しかし、頑なになって損をするのはやはりもったいない。相手視点から考えることのできる人は、コミュニケーション能力が高いともいわれています。この機会にぜひトライしてみてはいかがでしょうか。

■上司からの好感度を上げる3つの基本

 損する人の5つの特徴を改善する基本ルールは以下のとおり。

1. 挨拶
2. 笑顔
3. リアクション

 あまりに基本的過ぎて怒られそうですが、この基本をしっかり押さえていれば上司に限らず人からそう嫌われることはありません。身につけてしまえば人と関わりを持つすべてのシーンで役に立ちます。ぜひもう一度確認してみてください。

・挨拶
 挨拶なんて普通にやっていると思われる方も多いでしょう。でも、タイミングを逃したり、恥ずかしさも手伝って、ついついいい加減になっているということはありませんか? きちんと目を合わせていますか? 声の大きさには元気が感じられますか? 元気やヤル気を表現できるだけでなく素直さも伝えることができるので、ぜひ今日から今までより少しだけ感じのいい挨拶を実践してみてください。

・笑顔
 笑顔は一日中キープする必要はありません。しかし、普段皆さんが無意識に仕事をしている時の顔というのは、自分が思っている以上に怖いもの。無表情でいると、ヤル気がないと思われたり、頼りないと思われたりと損をしてしまいます。

 表情をイキイキさせるためには、口角をあげておくようにすればOK。これだけでも印象が変わるのでやってみてください。実践してみると数時間で顔が痛くなってきます。そのくらい普段、あなたの口角は下がりっぱなしなのです。

 人相学によると口角を上げると運気も上がるそうですが、いつも表情がイキイキしている人とそうでない人とを比べたら前者に人や情報が集まるのも納得ですよね。

・リアクション
 リアクションの改善は、まずはタイミングに気をつけてみましょう。呼ばれたらスグに返事をする。指示を出されたらスグに取り掛かる。スグに取り掛かれない場合は、いつやるのかを先に報告しておく。反応がわかりずらい、素直でないといった評価をされがちな人はこういった「スグに気持ちよくやる姿勢」に気をつけるだけでも、評価を改善することができます。

 以上3つの基本は子供でもできる簡単なことばかりですが、徹底できている人は多くありません。それだけに、習慣にするだけでいい評価を得られる方法でもあるのです。

■好感度を上げる上司に意見を言うときのテクニック

 上司に意見を言う時にはテクニックが必要です。素直な部下として接しながらも伝えるべき意見は伝えるために以下のポイントを参考にしてください。

 まずは「YES & ○○」という形で伝えること。相手の意見に対して「それは違うと思います」と否定するのではなく、「なるほど」「部長は○○というご意見なのですね」というように一度相手の考えを受け止めます。そして「私はこう考えたのですがいかがですか」という形で提案を付け加えるのです。この時「でも」や「しかし」といった接続詞を使わないのがポイントです。なぜなら、人は相手の話している内容よりも「でも」や「しかし」という言葉に反応してしまう傾向があるからです。

例)
× その価格では無理です。50万円以下でないと受注できませんよ。
× 60万円というご意見ですか。でも50万以下でないと受注できないと思います。

○ なるほど、60万円というご意見ですね。私は無理をせず、50万円以下で受注を狙いたいと思っているのですが、いかがでしょうか。

 皆さんが部下や後輩から「でも」「しかし」という言い方をされた時のことを考えてみてください。たとえそれが正論であったとしてもいい気分はしないはず。余計な摩擦を起こさないために「YES BUT」という形で伝えるのはNGだと覚えておきましょう。反対意見を言う時「でも」「しかし」という逆接を使わなくても、意味は十分伝わります。

■なぜ人間関係が大事なのか

 あまりよく思っていない人に何か頼まれた時のこと、そして自分と関係がいい人に何か頼まれた時のことを考えてみてください。同じことを頼まれたとしても、承諾するかどうかの判断には差があるはずです。

 人間は感情の生き物。何を頼まれるかだけでなく、誰に頼まれるかということに大きく影響されます。ですので、普段から社内の人達との良好な人間関係を保っておくのは、思っている以上に重要な意味があるのです。特に、選べない人間関係の中で成果を出していくためには上司との接し方を考えてみるのはマスト。これまで皆さんが経験測で身に付けたコミュニケーションの方法にプラスして、今回お伝えしたテクニックをぜひ使ってみてください。スグには効果が現れなくても、1ヵ月後、半年後に大きな差になるはずです。

【話し方・伝え方ガイド:藤田尚弓】